随分前のことだけど、NHKを見ていた時のことだ。記憶は定かでは無いのだけど、こういう話しだった。

 ある医師が、いつも思い出すというご夫婦がいらっしゃるというのだ。

 医者として 「ご主人さんに、もう手を尽くすことはない」「残りの時間をご家族で過ごしてください」と伝えたそうだ。

 それから時は流れ、奥様から手紙が届いたそうだ。

 その奥様からの手紙を、大切に医師は大切に保存しているそうだ。

 先生には「もう手を尽くすことはない」と伝えられましたが、家族は「何かいい方法はないのか?」と考えて、丸山ワクチンの注射をしたり、いろいろと試したみたのです。効果はありませんでした・・・。夫は亡くなりました。

 ただ、ただ、そうして人生の残りの時間を夫と過ごしながら、「何かいい方法はないのか?」と考える。
 私は、その営みの中に、はじめて夫婦の愛を再確認できました。

 ※記憶が確かでないのですが、こんな感じだったと思います。


 何かしら、昭和の時代にこんな風景を僕はみていた気がします。

 僕の父が亡くなった時に、やはり「ご主人さんに、もう手を尽くすことはない」と医師から母は伝えられました。

 自宅にいるときは、幻覚が見えたり、意識が五分くらいなくなったりしたものです、下の世話が大変です、一度キチンと拭き取って終了しても、直ぐに便が出て温和な母親が、「いい加減にして」と人生ではじめて親父を怒っていました。夜中でも「おーい、おーい」と父が母を呼びます。睡眠不足の毎日は悲鳴をあげるような日々でした。

 1日でも自宅で過ごせるように頑張っていました。意識が薄れるのは、薬の量が多いのではないかと考えて、薬をはさみで半分にしてみると、意識が無くなる回数が大幅に減ったこともありました。

 やがて、手が負えなくなり、完全看護の病院に入院。毎日病院に行く必要はないのですが、毎日母は電車で父を見舞いました。

 老老介護は本当に大変です。今もご苦労されている方も思います。

 「他人事を自分事」のように捉えるのは、大変な事です。

 利で考えると、なにもできない。義がないと、幸福は得ることが出来ない。

 今日は、こんな処です。

 
 
 

 

投稿者プロフィール

渡部雅泰ライター
クレストデジタルズ株式会社
代表取締役
渡部雅泰(わたなべまさやす)
東京都武蔵野市吉祥寺在住

profile
中小企業家同友会
倫理法人会
海外旅行100回以上(大学卒業後旅行代理店勤務、主に海外旅行を担当)
家族で全県宿泊挑戦中(家族で23/47都道府県)
2016年お遍路逆打結願
山下達郎さんの大々ファンです、愛媛FCボランティア