東北大震災から、夏はクーラーをつけないで扇風機で寝ていた。

本当ですよ。

この悪魔との誓いのような呪縛の中に、どこかしら僕としては小さな小さなプライドがあった。

しかし、連夜の首をねっとり締め付けられる熱帯夜に、ついには押しつぶされ、なりませぬと思いながら、ついにその禁を破ってしまった。あーあ、我慢ダムがひとたび決壊すると、毎夜タイマ-をかけて冷房の心地よさに、まるでセックスの快楽を知ってしまった青春の日々のように、だらだらと、ただただ快楽に流されてしまう、そんなていたらくな夜な夜な。

「無理をしないでクーラーをつけて睡りましょう」という、テレビの夏の甘美な呼びかけのせいだ。と、うそぶきながら(笑)それでも肩の力を抜いて行こうなどと、自分に号令をかけている。

こうなると、自分の人生の輪郭までもぼやけてしまう、悪い癖がまとわりついてくる。

人生は甘い誘惑の連続だ。コンビニに行けば、白くまアイスがあると、見ただけで試食した気分が立ちあがり、かき氷のなかに潜む、人生を粉々にする、練乳のとろけ具合が頭の中をかけめぐる。あかん、あかん、といいながら、ちょっとカップをさわると、イチゴがパイナップルがフルーティなトルネードな涼風をおくってきて、それがハートにつきささり、ネジのようにひとまわり、ひとまわり深度をましてゆく。(笑)

そして、「半分、青い。」のメロディが流れる

おはよう 世の中
夢を連れて 繰り返した湯気には 生活のメロディ
鳥の歌声も線路 風の話し声も
全てはモノラルのメロディ
涙こぼれる音は咲いた花がはじく雨音
悲しみに青空を
つづく日々の道の先を塞ぐ(ふさぐ)影にアイデアを
雨の音で歌を歌おう
全て越えて響け
つづく日々を奏でる人へ
全て越えて届け

「つづく日々の道の先を塞ぐ(ふさぐ)影にアイデアを」

そこがたまらない。

あまりにも暑い夏、ジョンソン・エンド・ジョンソンのベビーパウダーを念入りに、わきと首筋に、パタパタと塗りつけて、そとに出ると5分でねっとりしてくることは折り込み済みであったとしても、効果があるとか、ないとかわかるわけないが、それは日本で僕だけかもしれないけど、この歌がなにかやってみろと、背中を押すのだ。

レガシー。先人が残したシステムや仕組み。

汗っかきの、赤ちゃんには、ベビーパウダー。そこに着想を見いだし、だれにも見せられないこの所作を、丹念に積み重ね、そう毎日欠かさずやりながら、一人笑いをしながら、夏日の朝を過ごすのでした。

僕はその作業を「レガシーパタパタ」と呼んでいる。

誰だ笑っているのは、は・は・はそれでいいのだ。

今日誰かが、白クマアイスの前で立ち止まりますように(笑)

投稿者プロフィール

渡部雅泰ライター
クレストデジタルズ株式会社
代表取締役
渡部雅泰(わたなべまさやす)
愛媛大学非常勤講師

profile
愛媛県中小企業家同友会
愛媛県松山市中央倫理法人会
海外旅行100回以上(大学卒業後旅行代理店勤務、主に海外旅行を担当)
家族で全県宿泊挑戦中(家族で23/47都道府県)
2016年お遍路逆打結願
山下達郎さんの大々ファンです、愛媛FCボランティア